2017.11.22 (Wed) market

アルトコイン定点観測(2017/11/22)

こんにちは、ヨーロピアンです。

11月もアルトコイン市場は全体的に弱含みとなりました。Segwit2xを切っ掛けにBTCとBCHの関係が強烈にクローズアップされ、マーケットの関心が全てそちらに吸われてしまったのが原因として真っ先に挙げられるでしょう。とはいえこの状況は既に数ヶ月続いており、「雰囲気が変わった」ことを察した市場が、断続的にアルトコインの売り(BTCの買い)を入れている状況が続いているだけという見方もできます。フォーク問題は過ぎ去りましたが、自信を持ってエントリできるアルトコインは限られてくる相場環境であるという見方は変わっていません。

ETH(Ethereum)

先月は「手出し無用、積極的にリスクテイクするならショートでのエントリを検討」と評価しました。その予想通り値を落とし続ける展開が続き、とうとう0.05を割り込んでしまいました。これは2017年4月以来の水準です。

先月の記事では0.054でしたから20%も下落してしまったことになり、これはなかなか厳しい状況です。11月に入ってから多少の自律反発こそすれ、とても買えるチャートではないと感じるでしょう。

実は見る足によってはここから打診的に拾っていくことも可能なのですが、過去に何度も同様の形を否定されここまで安値更新してきているのが気がかりです。自信を持って拾っていくにはファンダメンタルズ面での追い風が欲しいところですね。

そんなETHですが、クライアントの一つであるParityのバグにより約61万ETHが凍結されるというショッキングな事件がありました。実は今年7月にも同様の事件を起こしており、スマートコントラクトの複雑さとバグが引き起こす問題の大きさを浮き彫りにしています。今回の事件そのものは売り込まれる材料とはなりませんが、書かれたコードが意図しないものであったとしても確実に実行されるという絶対的な仕組みの是非について、長期の展望に暗い影を落とさないかの心配の種となってくるでしょう。

全体感としてはショートは一旦利食い、ロングポジションを持つなら中期の移動平均線を上抜けてアク抜け感を待つか、ファンダメンタルズ材料待ちというところでしょうか。先月よりは多少緩和されていますが、まだ自信を持って勝負するには難しい局面にあると考えます。

XRP(Ripple)

先月は「8月中旬のネックラインが近づき正念場、市場環境が変わるまで耐えられるか注目」と評価しました。残念ながら10月下旬にはネックラインを割って推移しています。

とはいえネックラインを割っても下げ続けるわけではなく、一段下でまだギリギリ耐えている……という見方をしても許される形でしょうか。

11月16日頃に上ヒゲが出ていますが、これはRippleとアメックスとの提携が発表されたためです。流石リップル、あくまでエスタブリッシュメント路線……と舌を巻くところですが、上ヒゲをつけて売りに押されているのを素直な見方をすればこのような好材料が提供されても市場の反応に乏しいとも言えます。それにしてもとにかく資金が逃げるのが速すぎるのが引っかかり、市場でしつこくXRPを売りにくるのが一体どういった筋なのか追跡してみたくもあります。

現状はファンダメンタルズ面、テクニカル面双方で買う切っ掛けに乏しく、当面はイベントドリブンで短期トレードを楽しむ以外にパフォーマンスを上げる方法に欠けるという印象です。個人的には、そろそろ9月頃の水準程度までの反発があってもおかしくはないのでは、という予感はありますが……。予感でトレードすることはできないので、しばらく辛抱強く見守るしかなさそうです。

LTC(Litecoin)

先月は「Segwit2xの話題が盛り上がるまで手出し無用、またそのタイミングでも前回ほどの資金流入は難しいかもしれない」と評価しました。予想通りチャートは下げ足を早め一瞬0.07割れ、現在はやや反発していますがそれでも先月比較では低水準にあります。

Segwit2xフォークが中止となったことで、今回の相場はBTCvsBCHの構図が市場の大きなテーマとなりました。本質的にはこのような短絡的な二元論に納められるテーマではないのですが、このようなビッグイシューにはとにかく単純な理解がつきまといます。その結果、マーケットの関心事からLTCは外され、他のアルトコインと同様に売りに押される展開となってしまったのです。

さて、9月にはほとんど話題にならなかったBTC-LTCのアトミックスワップですが、開発者チャーリーの発言によって市場での認知度は除々に高まっています。

このアトミックスワップがLTCの評価にどのような影響を与えるか、正確に推測することは困難です。ですが、暗号通貨の大きな技術進歩として好意的に見守っていく姿勢が大事であると考えています。もちろん、さらなる発展があればこの半年間で失われたマーケットシェアをいくぶんか取り戻す展開も十分に考えられるでしょう。

DASH(Dash)

先月は「ネックライン付近で購入には勇気のいる水準、日本のホワイトリストにも注意」と評価しました。

その後0.035割れまで急落したものの、なんと一時0.085を超える高騰も見せ、再び0.05台まで売りに押される展開。時価総額が高いコインであることを考えれば、驚異的なボラティリティであったと言えるでしょう。

このチャートを作ったのはもちろんBTCのフォークに纏わるビッグイシューです。では何故DASHがマーケットの関心の対象となったのか?実は、DASHのブロックサイズを2MBに増大させるアップデートが入ったのです。この時、マーケットの最大の関心事はまさに「ブロックサイズ増大の是非」でした。連想的にDASHが買われたというのが一番納得できる説明になりそうです。また、この時さらなる連想として同じ匿名性の高い通貨としてMoneroやZcashまで物色されています。ここまでくると投機家の行動には合理性があるとは言えず、良くも悪くもマーケットの未成熟さを改めて確認することができたのではないでしょうか。

この後の展開は読みにくいですが、見通しは他のアルトコインと比較するとポジティブです。また、再びBTCのブロックサイズが取り沙汰される時にはDASHを打診的にエントリしてみると面白い展開が見られるかもしれませんね。こういった過去の値動きからトリガーパターンをいくつか用意しておくことで短期の投機に妙味を感じることができるようになりますから、過去のチャートから得られる情報を無為に捨ててしまわないことがトレードの腕を磨く一つのコツになります。

MONA(Monacoin)

先月は「トレードの腕に自信がない場合は手出し無用、特に初心者が参加するのは難しい相場」と評価しました。先月の評価時が372円ですから、そこから一時は250円近く下落、再び値を回復して340円付近……ボラティリティの高い相場が続きます。またこの連載で唯一MONAについてのみ対円チャートを取り上げるようにしていますが、対BTCでは続落しています。総じてトレードが難しい環境にあり、やはり先月時点では無理に手を出さなくて正解であったと言えるでしょう。

その間の大きなニュースと言えば、ITMediaの記事で大きくMONAが取り上げられたことでしょうか。その他大手メディアにも転載され、認知度の向上に大きく寄与したように思えます。もう一点、有志によってMonapartyというカウンターパーティトークンが発行できる仕組みが開発されました。これはBTCのブロックチェーン上にデータを書き込むことで自由に発行したトークンを扱うことができるCounterpartyの仕組みを取り込むことで実現しています。

日本の暗号通貨界隈ではCounterpartyが一時期大流行し、PEPECASHを始めとした有名なトークンがいくつも発行されました。しかしながらBTCの価格高騰に伴い手数料がネックとなってきてしまい、現在はやや下火です。その点MONAは承認時間が速く、ゆえにトランザクションが空いており、手数料も非常に小さいので有用な仕組みとなる可能性は高いでしょう。

その他、10月の高騰劇を牽引したbitFlyerの欧州・米国上場も近日に控えていると報道されてます。仮にEURやUSD建てのペアが提供される場合、ほとんどのアルトコインペアはそれらの国でも既にトレードの対象となっていますが、MONA/EURやMONA/USDは確実に新規ペアとなります。海外投資家の関心のタネとなり再びの資金流入が見込めるならまたぞろ面白い値動きが見られるかもしれません。

幸い日柄調整をこなし対円では一旦の底練りをこなしたようにも見え、ファンダメンタルズ面も良好ですから、再度10月の高値を伺う展開になるか注目できる時期に来ていると考えています。


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