2018.03.26 (Mon) news

CLOUD Actがアメリカで成立、プライバシー保護懸念高まる

Written by 真田雅幸

Clarifying Lawful Overseas Use of Data(CLOUD)ACTが23日、トランプ大統領の署名を経て成立した。

米政府は同法案の成立により、オンライン上に保存されている個人情報を含むデータへのアクセス権限が強化され、アクセスに必要な手続きも簡素化された。CLOUD Actを利用することで、政府は海外にあるサーバーのデータも収集することができるようになる。

米政府が海外のデータにアクセスできるようになった一方、海外政府もアメリカの企業に対しデータの提供を求めることができる。CLOUD ACTの成立は、各国政府のデータのアクセス権限を強化し、乱用されれば個人のプライバシーの侵害に繋がるとの懸念もでている。

多くの情報がデータ化され保存される現代において、政府や企業が個人のプライバシーをどの程度尊重すべきかの議論はもっと行われるべきではないだろうか。

ビットコインのエバンジェリストであるAndreas M. Antonopoulos‏氏は、今回のCLOUD Actは世界規模でプライバシーを破壊すると危機感を募らせている。

「暗号化が必要になり暗闇に潜まなければならない。プライバシーが違法化されれば、犯罪者だけがプライバシーを持つことになる。我々は、またしても締め出されることになった。」

Andreas氏がビットコインを広めようとしている理由は、政府から逃れたくてビットコインを使いたいからではなく、個人の自由やプライバシーを尊重しているからだ。プライバシーが保証されない社会では、プライバシーを持つこと自体が犯罪者であるかのように受け止められる社会になる恐れがある。同氏は、元々、人々は生まれながらに自由やプライバシーという権利を有しており、政府や企業が独断に侵害することはできないと主張する。

ビットコインを使用することで企業が管理するサーバーなどを通さずP2Pで取引を行うことができるため、利用者のプライバシーが保たれる。一方、政府のような中央集権機関は、自身の監視下にない匿名取引や人のプライバシーを認めるようとはしない傾向がある。

犯罪を防ぐ上で政府が国民の動きを監視するといったことは、社会から一定の理解が得られているコンセンサスだ。他方、政府がどこまで国民を監視するべきか、また国民はどの程度の自由やプライバシーを必要としているかの対話は必要だろう。

政府が保証する安全性と個人の自由やプライバシーは相反する。安全性を政府に求めるのであれば、一定の自由やプライバシーを国民は手放さなければならない。一方、自由やプライバシーを求めるのであれば、政府が保証する安全性はある程度諦めなければならない。

国民は政府によって監視される一方、国民も政府のような行政機関の動きには常に関心を持たなければならない。政府が常に国民のために働くとは限らないからだ。

オンライン上の個人の自由やプライバシー保護を目的に活動する非営利団体Electronic Frontier Foundation(EFF)は、CLOUD Actは綿密な議論や大衆への通知が不十分なまま成立したとして政府を非難している。

「米政府と海外政府は、世界中のデータにアクセスできる権限を持ってしまった。あなたのe-mail、オンライン上でのチャット、フェイスブックやグーグルが保存している記録などが海外当局によって検閲される可能性がある。さらにあなたに通知することなく検閲が行われ、許可なくデータは第三者機関に渡される」

EFFによると、CLOUD Actは海外政府の米国内のデータに対する検閲行為を容易にすると注意を促している。

海外政府は、米政府の令状なしに米企業から人々の通信記録を検閲できるようになる。また司法による事前審査なしに海外政府は、個人情報を要求することができる。本人へ調査の有無を通知せず海外当局は、個人情報を手に入れることができる。自国の法律に乗っ取り海外政府は、アメリカでのプライバシー保護法を無視して、データを収集することができるようになった。


Geekwire
EFF


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