2017.11.06 (Mon) news

犯罪の証拠をブロックチェーン上に記録、英法務省が提案

Written by 真田雅幸

Untitled (3)

ブロックチェーンはビットコインのセキュリティの基礎を成している技術で、データを数珠つなぎに繋げることで、改ざんが困難な情報構造を作りあげる。ブロックチェーン上の情報は、設計次第では公共に開放され、誰でもその情報を閲覧することが可能だ。イギリスの司法省(Ministry of Justice)は今月2日、犯罪証拠の映像データの管理方法を見直す可能性を示唆し、ブロックチェーン技術を活用したデータ管理をする構想があることを発表した。

英司法省の構想は、同省デジタル部門のAl Davidson氏によって発表された。Davidson氏によると、動画編集技術の発展により、スマートフォンなどからでも映像の編集や改ざんが可能になり、動画の信憑性が揺らいでいるという。「裁判で動画や写真を証拠として提出する場合などに不備が生じてきている」と同氏は語る。以前は写真や動画の編集は、一部の技術者にしかできなかった。しかし、現在は編集ソフトの普及により、手軽に画像編集ができるようになり、一般にも身近なものとなりつつある。

Davidson氏は、警察官が携帯するカメラの映像データを10分毎にブロックチェーンに記録することで、映像証拠の信憑性を上げることができると考えているようだ。ブロックチェーン上には、映像データのハッシュ値の他に、時刻を表すタイムスタンプや場所などのデータを含む予定だという。ブロックチェーンには動画のような大規模なデータを保存することはできないが、ハッシュ値のような軽量のデータならば記録できる。ハッシュ関数を使ってデータをハッシュ化し、ハッシュ値を記録対象とすることで、事実上の大量のデータをブロックチェーン上に保存できる。ハッシュ関数によって算出されたハッシュ値は、元のデータが少しでも改ざんされている場合、算出されるハッシュ値が異なる。

以下の画像は人間の目には同様のものに見えるが、画像データをハッシュしてみると全く異なるハッシュ値が算出される。

スクリーンショット 2017-11-06 13.09.00

ユーザーは同じデータ(ハッシュ値)を共有しているため、一度書き込まれたデータの改ざんがほぼ不可能になる。

Davidson氏はしかしながら、ブロックチェーンを使った動画や写真データの記録検証は、未だ構想の域を出ないとしている。ブロックチェーンを使うことで信憑性の高いデータの管理システムを構築することができる一方、入力される元のデータが改ざんされていた場合、それを判別する方法がないからだ。同氏は「データを入力する機関は限定され、警察などがデータの管理者となり、その管理者がデータを改ざんするリスクに備えなければならない。ブロックチェーンを実社会に適用するためには、超えなければならないハードルがいくつも存在する。しかし、社会発展を促す可能性があるこのような技術の出現を我々は喜ぶべきだろう」とコメントした。


Ministry of Justice


無料メールマガジン

BTCNの最新ニュースを毎日お昼ごろお届けします!