2018.07.25 (Wed) news

Augur開発者チーム「Kill Switch」の発動権限を破棄、非中央集権化へ

Written by 真田雅幸

予測市場プラットフォームAugurの開発チームは、不測の自体が発生した際にプラットフォームを一時停させることができる「Kill Switch」の発動権限を放棄したと発表した。これにより、開発者チームの影響が薄れ非中央集権化される。一方、今後ハッキングによりトークンが盗難される自体が発生しても、開発者がすべての取引を一時停止し、トークンの安全を確保するなどの措置を取ることができなくなる。

Augurは3年前にイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を活用し5.5億円の資金調達を行い、今月正式にローンチされたイーサリアム上で動くDappsの一種だ。同プラットフォーム上では、ユーザーは自由に予測市場を作ることができ、選挙結果、天気予報、企業収益などを予測し独自トークンのREPを使ってベットすることができる。

今回Augurの開発チームがKill Switchを放棄したことは、非中央集権でオープンなプラットフォームを目指す上で重要な一歩だったと言える。ブロックチェーン界隈では非中央集権を謳っているものの、一部の開発者によって管理されているプロジェクトがほとんどなのが実情だ。

たとえば、非中央集権取引所(DEX)のBancorが今月ハッキング被害にあった際、開発者は特定のアドレスを凍結するなどの措置をとっている。また、EOSで起きた例を挙げると、ネットワークの仲裁を行うEOS Core Arbitration Forum(ECAF)が、取引の処理・検証を行うブロック生成者(BP)に対し、特定のアドレスからの取引をブロックに取り込まないよう指示している。

非中央集権のプラットフォームには管理者が存在せず、ユーザーには最大限の自由が与えられる。しかしこの自由度の高さが問題を引き起こすこともある。Augurのユーザーは自由に予測市場を作ることができるが、Assassination Market(暗殺市場)を作ることができると懸念されている。

Assassination Marketは、誰かの生死が賭けの対象となっている市場だ。プラットフォーム上ではすでに複数のAssassination Marketが作成されており、米大統領のドナルド・トランプ氏や著名投資家のウォーレン・バフェット氏などを対象とした予測市場が存在する。

Augurのプラットフォームでは、誰かの生死を賭けの対象にすることができ、対象となった人の死で利益を得ることができるユーザーが発生する。規制されたギャンブルサイトではこのような賭けは成立しないが、非中央集権のプラットフォームでは成立してしまう。

Augurの開発チームはすでに管理者としての立場を降りており、利用規約は存在せず、予測市場の対象選定はコミュニティやそれぞれのユーザーの倫理観に委ねられる。非中央集権のAugurは、あらゆるものがギャンブルの対象となるため、他のギャンブルサイトにはないユーザー体験を提供してくれる。その一方で、Assassination Marketなどを作成することもできる危うさがある。


CCN


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