2018.05.02 (Wed) market

仮想通貨市場の価格-流通量に基づくHerfindahl-Hirschman指数等の諸分析(May 2, 2018版)

Written by mineCC

こんにちは、mineCC(@ETHxCC)です。新生活を迎えられた方もそろそろ落ち着いてきた頃でしょうか。前回4/9に「ソロスが界隈に参戦する報もあり、界隈が再び盛り上がりそうで楽しみですね。」と書きましたが、本当に盛り返してきましたね。ソロスのチカラかは分かりませんが。新年度初っぱなの市場動向を見てみましょう。今回はCoinとTokenで分類した様子もお見せします。(データは日本時間4/30取得)

4月末日の仮想通貨市況と寡占度(Herfindahl-Hirschman指数)

まずは時価総額和とHerfindahl-Hirschman指数(HHI)から。トレンドラインは前回のものを踏襲していますので、初見もしくは失念された方は前回のBTCN記事をご参照下さい。データ取得時点で時価総額$10k以上の通貨を対象としています(図1)。


図1:2017年1月1日以降の暗号通貨市場全体の時価総額和(上段)とHHI(下段)

時価総額和は前回執筆時点で、年初から長期的な下降トレンドに入るかと思いきや、しっかりと4000億ドル規模にまで戻してきました。一方、時価総額の戻りに反してHHIは低下し、4/29時点で1800を切る所まで来ています。すなわち、BTC一強で時価総額和を引き戻したのではなく、アルトコインの奮闘あっての結果あるいはBTCに環流してきた資金がどんどんアルトに分配された結果です。

次は、時価総額の順位分布です(図2)。


図2:暗号通貨時価総額分布(当時$10K以上)

緑線が今回取得した最新データ、青線が前回4月初旬、赤線はイケイケだった昨年12/24のデータです。前回に比べて全体的に上がりました(対数軸なので均一な上がり方ではありませんが…)。上位ランクが12月下旬に近づいた一方、低位(およそ200位以下)では緑線が赤線を大きく上回っています。やはり上位通貨の勢いが戻った事に加え、夢と希望、そして人々の深い欲望が渦巻く低位通貨界の隆盛もHHI低下の一因でしょう。

次の図3は、コインおよびトークンと分類される通貨の価格対流通量の関係です。縦軸は価格、横軸は流通量を表しています。青がコイン、赤がトークンです。前回記事では一緒くたで表現していましたが、興味深い傾向があるので今回は分けてプロットしました。


図3:CoinおよびTokenのUSD価格と市場流通量の関係(当時$10K以上)

補助線が多くてわかりにくいと思うので、まず一つずつ説明します。

黒破線は各分布の価格pと流通量Sに対してpS=Const.でフィッティングしたものです。要は「価格は流通量に反比例する」と仮定しました。概ね綺麗に分布のトレンドを掴めていると思います。この結果から、市場は時価総額の相場(定数)をある程度念頭に置いて、流通量から価格を決めていると推定出来ます。これは興味深い現象なので、いずれ別記事で分析を進めましょう。

次に、青破線はBTCの時価総額と等価な曲線を示しています(BTC等価線)。すなわち、pS=(Market cap of BTC)とした関数です。この等価線に乗っていればBTCと同じ時価総額であり、破線を超えた領域にいればBTCの時価総額を超えたということです。コイン系は割とこの等価線に近い所に多くの点があります。これらがメジャーアルトで、ETH、BCH、XRPなどが側にいますね。一方、赤点の分布(トークン)は割とトレンドラインに沿って分布しており、あまりBTC等価線に近い点がありません。これはトークン系の中で特異的に分布から飛び出るようなモノが少ない、すなわち、トークンはコインよりも「等質なグループ」ということです。まだコアなファンしか付いていないためか、ICOで乱造されたトークンが多いからかもしれません。

コイン系はトレンドラインから上抜けしている通貨が比較的多いです。特にBTC供給量線近傍でトレンドから上抜けしている通貨が多く見られます。BCH、BTGなどが供給量線に乗っており、この辺りはBTCから派生した人気通貨が多いところです。供給量10G辺りでも上抜けしている群がいて、ここにXRPがいます。この分布をみれば、皆さんの「好きコイン」の流通量から現在期待できる価格が大体お分かりになると思います。「上抜け」については、BTCの時価総額上昇に伴って引っ張り上げられた所が大きいと見ています。もちろん各通貨を純粋に支持されている方々の投下資本の寄与もありますが、多くは「BTC等価線が上がることによって引き上げられた」と推察しています。引き上げられない通貨は…

最後に図4で4/4時点の分布と比較してみましょう。図3のプロットに、▲で4/4時点のデータを重ね描きしています。


図4:4月4日時点と比較したCoinおよびTokenのUSD価格と市場流通量の関係(当時$10K以上)

小さくて見にくいかも知れませんが、トレンドラインから上抜けしているコイン系の価格が揃って上がっていますね。資金が戻ってきた際にどのような数字を持つ通貨に回ったか、示唆に富む結果となっています。上抜けの特徴についても後日検証します。

結言

以上、新年度4月の市場変動についてまとめました。これまで仮想通貨市場単独で動いていた相場も、参入者が多様化しことで様々なイベントに影響されるようになりました。年度末のイベントが去ったことで、こうして再び市場に勢いが付いたのかも知れません。HHIは低下傾向にあることから、市場はBTC一強ではなく、群雄割拠の様相を呈しています。

アルト人気が再燃していますが、火遊びで焦げてしまわないよう、気をつけて楽しんで下さい。


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