2019.02.08 (Fri) news

スマートコントラクトのプラットフォーム間での抗争が激化、創始者が互いを批判

Written by 真田雅幸

イーサリアムの創始者であるVitalik Buterin氏は、開発の進捗状況と今後予定されているアップデートについてサンフランシスコで行われたBlockchain Connect Conferenceで語った。プレゼンテーション終了後、Buterin氏は「スマートコントラクトのプラットフォームとして競合となるプロジェクトが行う取引処理の速さを謳う宣伝にはミスリードがある」と批判する一幕があった。

Buterin氏は、コンセンサスアルゴリズムはブロックチェーンの処理能力を向上させるためのものではなく、安全性を向上させるものだと主張する。他のプロジェクトが異なるコンセンサスアルゴリズムを使って取引処理が早くなっているのは、単にノードの数を減らしネットワークを中央集権化しているからだという。

Buterin氏はまた、ブロックチェーンの取引処理能力を向上させる技術としてシャーディングやプラズマを挙げた。

Buterin氏は明確なプロジェクト名を挙げなかったものの、宣伝手法に問題があると指摘したプロジェクトはEOSやTRONなどであったと推測される。EOSは取引処理能力が3500TPS(秒間あたり取引処理能力)で、TRONは2000TPSだと言われている。イーサリアムは15TPSだ。

TRONのJustin Sun CEOは、TRONがイーサリアムより優れているといった内容のツイートを度々行っている。

スマートコントラクトのプラットフォームとなるべく覇権を争っているプロジェクトは複数あり、市場の時価総額で比較すると約108億ドルのイーサリアムがリードしている。TRONは約16億ドルでEOSは約20億ドルだ。

Blockchain Connect ConferenceでのButerin氏の主なプレゼンテーションの内容は、次に予定されているアップグレードであるCasperについてだ。CasperはイーサリアムのコンセンサスアルゴリズムをPoWからPoSへと変更する前段階にあたり、両方のコンセンサスアルゴリズムを並走させる。

イーサリアムの開発ロードマップでは、2020年頃までにコンセンサスアルゴリズムが完全にPoSに変更されシャーディングが実装される予定だ。一方、イーサリアムは先月、アップグレードされるコードに致命的な脆弱性が発見されたことにより予定されていたハードフォークのConstantinopleを急遽延期している。

CasperはConstantinopleの次のアップグレードであるSerenityに分類されるプロジェクトだ。現在の開発の進捗状況を見る限り、2020年までにPoSへ完全移行するのは難しそうだ。

さらに言えば、PoSへ移行したと同時かその後に実装されるシャーディングは未だ研究段階の技術で、実際に運用が可能であるかもわからない状態だ。シャーディングを簡単に説明すると、一つのブロックチェーンが親となり、複数の子ブロックチェーンと同期することですべてのブロックチェーンが一つのネットワークとして同期できるようにする技術だ。

これは非常に複雑な技術であり、一つの子ブロックチェーンに問題が発生するとすべてのネットワークに悪影響を及ぼす危険性がある。現在のイーサリアムは一つの子ブロックチェーンを開発している段階に過ぎないため、これから更に難解な問題を解決する必要がある。

先月ラスベガスで行われたカンファレンスUnconfiscatable Conferenceに出席したBlockstreamの元社員であるJOHNNY DILLEY氏は、管理者が存在しない非中央集権のネットワーク上でシャーディングを活用する方法論を確立するには、NASAの職員達が15年かけて研究するレベルの問題を解決しなければならないと説明している。

すべてのスマートコントラクトのプラットフォームは開発の初期段階にあり、不確かな要素を多く含んでいる。それぞれのプロジェクトは異なる問題を抱えており、現段階でどのプラットフォームが十年後に生き残っているのかを予測することは非常に困難であると言える。


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