2018.01.17 (Wed) news

モスクワでロシア初のブロックチェーン分野のアワード「Russian Crypto Awards」開催


暗号通貨とブロックチェーンはおそらく2017年のメインストリームであった。暗号通貨業界は、世界中の経済界、国家、一般消費者から注目されている。暗号通貨は、(ロシアの場合)銀行からの規制を受けず課税もされない、つまり国家からのコントロールを受けないので、それぞれの立場によって思惑は異なる。

ロシア政府はこの状況を是正しようとしている。2017年10月、ウラジミール・プーチン大統領は、ロシア政府と中央銀行に対し、暗号通貨を規制するよう指示した。具体的には、2018年の夏までにビットコインの金融分野での公式な取扱いと、デジタル経済の主要な用語の定義について定めること。マイニングに従事する組織や個人は、規制と税制の対象となる。

プーチン大統領によると現時点でマイナーたちは下記2つの問題があるという。「マネーロンダリング防止法の適切な管理」と「本人確認の手続きの難しさ」である。

それにしたがいロシア政府はマイナーたちのマイニングの採掘量を制限しようとしており、財務省は個人のデジタル通貨取引は一切認めず、許認可のある投資家かつ暗号通貨取引所でのみの通貨売買を許可する、と提案している。またロシア当局が現在進めている暗号通貨の法規制では、高額な取引を目的としたマイニングに関しては、刑事罰が課される恐れがあるという。

ロシア政府がこのような法規制の整備を進める一方で、12月13日モスクワにあるハイテクガジェットレストラン「ガジェットスタジオ」ではICO、トークン、ブロックチェーン技術、マイニング、暗号通貨などの分野におけるロシア初のアワード「Russian Crypto Awards」が開催された。

アワードは通信会社RUS INTERNET COMの代表ナナ・クリコワ氏とニキータ・ウォリク氏、そしてNGO団体のPravo Robotov創設者ニキータ・クリコフ氏によって主催された。

このアワードでは、140カ国600万人以上のユーザー数を誇る世界最大のトレーダー向けSNS「eToro」がオフィシャルパートナーを務めた。eToroは2017年にBTCとETHだけでなく、その他ETC,DASH,LTC,XRP,BCHなど世界で人気のある通貨の売買を可能にする「Crypto Copy Fund」プロジェクトを始めた。

主催者ニキータ・クリコフ氏によるとアワードの一番の目的は、専門家の功績を称えることだけではなく、ロシアのブロックチェーン技術の分野が何も無い砂漠ではなく、ポテンシャルの高い活発な領域である、ということを示すことだという。シドニーから直接アワードに参加した著名な事業家であるセルゲイ・セルギーエンコ氏は下記のような期待を述べた。

「ロシア政府がこの分野の成長機会を逃さないようにし、ロシアの優秀な人材と技術によってアメリカドル依存から脱却したい」

ICO Hype2017カテゴリの授賞者となったロシア最大のSNS”VKontakte”のコミュニティMDK創設者兼管理人ロベルト・パンチヴィーゼ氏は授賞後のインタビューで、暗号通貨に対して厳しい姿勢をとるロシア政府について応えた。

「ロシア政府は中国のような仕組みを作りたいのだろう。必要最低限で、なおかつ政府に近い人間にだけ関わらせることで収益を上げやすくすることができる。一年後には中国のような経済となり、国家暗号通貨も作成されるだろう」

特にICO関連での授賞が続いた。ブロックチェーンスタートアップ2017カテゴリで授賞されたのはUniversa代表アレクサンドル・ボロディチ氏。Universaは実用的な経済にフォーカスしたビジネスアプリ用ブロックチェーンプラットフォーム。開始1か月で約100万人のユーザーを集めたことで話題になった。

また分散型スタートアップ2017カテゴリで授賞されたのはSONMのアンドレイ・ボロンコフ氏、アレクセイ・アントノフ氏、セルゲイ・ポノマリョフ氏の三名。SONMは場所を問わずあらゆる処理能力に対応できるポテンシャルを持つデータ処理用クラウドコンピューティングの分散型グローバルスーパーコンピュータである。

続いてICO2017カテゴリの授賞者となったのはマイナー及び投資家向けマルチマイニングエコシステムRMC共同創設者のドミトリー・マリニチェフ氏。ロシア初となる本アワードの意義について話を聞くことができた。

「”Russian Cryopto Awords”に参加できて光栄だ。アクションに繋がるイベントは良いですね。市場の専門家と社会に刺激を与えてくれる。このようなイベントに彼らが一同に集まることで、意見交換やディスカッションなどのコミュニケーションに繋がる。今日、参加達それぞれが各々のビジョンをシンクロさせ、今後の方向性を再確認し、自らのアイデアやプロジェクトのフィードバックを得られたのではないかと思う。」

またマリニチェフ氏はロシアにおけるブロックチェーンと暗号通貨の未来についても語った。

「ブロックチェーンに関しては間違いなく活用されていくはずだ。暗号通貨に関しては現在作成中の法規制の範囲内での活躍となるだろう。現在通信、ネットワーク、ITに関する法律は複雑である。部分的には修正が加えられているものの、根本的には昔ながらの難解な内容のままだ。暗号通貨を我々の生活に問題なく取り入れる方法はあるはずだ。

暗号通貨とブロックチェーンの未来はロシアの手に握られていると確信している。ロシアより技術革新が早かった国では新しい情報技術が取り入れられやすい。しかしロシアの方がより若くてチャレンジングな若者が多い。それらの国では縦割りのシステムが全世界からたくさんの資金が集まるような優秀なスタートアップの誕生を阻んでいる。最も重要なのは発明精神、バイタリティ、想像力だ。ロシアの遺伝子にはまさにそれらが刻まれている。ロシアにこそ発明と創造の力が備わっている」

最後に、イーサリアムの共同設立者、ヴィタリク・ブテリン氏にはブロックチェーン分野発展への多大な功労者2017が授賞された。ロシアではメッセンジャーアプリTelegramや、ロシア最大のSNS、VKontakteを中心に暗号通貨コミュニティが形成されつつある。それと併せて今回の”Russian Crypto Awards”のようなリアルでの取り組みが行われていくことは今後の暗号通貨普及のためには非常に有意義であると言えるだろう。こうした動きがロシアから日本、はたまた世界に拡がっていくことを期待したい。


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