2018.11.05 (Mon) interview

参議院議員、藤巻健史氏が語る「仮想通貨を取り巻く問題点とその将来性」[インタビュー 1/3]

Written by 真田雅幸

仮想通貨が世間に周知されるようになり、税制や規制などについての議論が活発に行われるようになってきた。最も注目されるのはトレードの利益に課せられる税金についてだ。仮想通貨のトレードでの利益は、株式やFXなどのキャピタルゲインとは異なり雑所得として計上される。キャピタルゲインに対する税率は最大約20%であるのに対し、雑所得に対する税率は最大約55%だ。

今回は、仮想通貨に対する税制の見直しを国会でも発言している参議院議員の藤巻健史氏(日本維新の会)にインタビューを行った。藤巻健史氏は、将来のハイパーインフレに備え仮想通貨やドルを購入すべきだと主張する。また、仮想通貨に対する重い課税や厳しい規制は産業の成長を阻害すると考えている。

藤巻議員が考える仮想通貨の価値

――藤巻議員は仮想通貨のどこに価値があると考えていますか?

藤巻健史氏(以下、藤巻):僕が仮想通貨を推す理由は2つあって、1つ目は資産の逃避先としてのツール、2つめが産業としてすごく発展する可能性があるその将来性。この両方を理由に、やっぱり仮想通貨に関しては日本の政策としてだったり、首相マターとしてやるべきだと思っているんだ。

税制の問題に関しては、税務局の立場に立つと仕方ないんだけど、彼らの理論でやると産業がオーバールールド(過剰規制)になって成長しないわけだよ。それが日本の将来を左右してしまうのは良くない。本来は大臣なり首相が先導する分野であるはずだよ。

理系の人が始めた仮想通貨だから興味を持った

藤巻:僕が仮想通貨をいいなって思った理由の一つが、理系の人がたくさん入ってるからなんだ。理系の人は頭がいいから。普通新しいものって、だいたい文系の人しか最初は入らないんだ。理系の人が最初に飛び込むっていうのは、理系だからこそいいところが最初に理解できたんだろうなって僕は思っちゃうわけ。極めて珍しいベンチャー分野だなと。理系が最初に飛び込んでから文系が遅れてくるってことは稀で普通は逆だから。

――確かに。理系の方もここまで価値が上がると予想していなかったと思いますが。

藤巻:なかったでしょうね。だけどこれは面白いと思って首突っ込むのは、文系じゃわかんないもん、やっぱり。

――確かに僕も何も知らないところから、ビットコインについて調べていくうちに、これはちゃんとロジックが立てられているってことに気づきました。それは理系の人が作ったからっていうのはもしかしたらあるのかもしれないです。

藤巻:そうですね。

税制の改善点

――現状の仮想通貨に対する税制の問題点であったり、改善すべき点はあるのでしょうか。

藤巻:主に3つあって、1つ目は、源泉分離課税20%にすること。2つ目は仮想通貨間の売買は非課税にすること。それから少額の買い物をする時は非課税にすること。

もうちょっと長期的な話をすると、所得税的な税金は運用が難しくなる。これは別に仮想通貨に限ったことじゃなくて、全ての税制において、ガラッと変わっていくと思う。特にITが発達すると税務署がすべての取引を把握できっこないんだよね。

僕がよく例として使うのは、日本人がA国からB国に物を輸出して、C国の銀行で決済したら、普通は取引の詳細を把握できない。そういうことがこれからどんどん起こっていくと思うんだ。

今の税制は、抜本的に変えなくちゃいけない。それがどういう形がいいのかはわからないけどね。例えば、仮想通貨は法定通貨に変えた時に1回だけ1%を徴税するとかね。1%かはわからないけど、そういう抜本的な変更が将来的に必要だと思う。当面の改善点はその3つだよね。

この前の通常国会で言及したのは、仮想通貨取引の利益を雑所得にするのはやっぱりおかしいと思うってこと。FXとか株の取引が源泉分離になってるのに中立性に欠けるよね。麻生大臣は「仮想通貨に対する税率が所得税より低いと、一生懸命働いた人達から納得が得られない」って言ったんですけれども、給料は今年2000万円貰って、次の年にマイナス2000万円なんてことはないわけです。仮想通貨の場合、2000万儲かった次の年にマイナス2000万の損をする人もいるわけだから。

損失に対するケアがないのに儲かったら税金払えって、損したら知らないよ、繰り越しもできないのもおかしいんじゃないかな。せいぜい税率20%が妥当かなとは思ってる。

源泉分離にするには、国がきちんとコントロールしなくちゃいけないという法律があるんだよね。例えばドルのMMF(マネー・マネージメント・ファンド)なんかも日本で税率が20%なんだけれど、海外で買うと総合課税になっちゃうわけ。国がコントロールできていないからね。同じように国がコントロールしているFXには20%が適用されているわけです。

じゃあ、仮想通貨はどうかって言うと、すでに資金決済法とか色々出てきているけれど、マネックスは銀行法グループ会社ということで、極めて厳しい国の監督下にある会社なわけです。

そのような銀行が仮想通貨業界に参入したってことは、明らかに国の監督下に入ってきたわけ。だから、源泉分離特措法が適用されるのが当たり前だろうっていう話があるんだ。

仮想通貨は国をあげてサポートすべき

藤巻:もう1つ言うと、20%にするっていうのは国の将来にも関係しているんだよ。国力を落とすようなものを別に税制で補助する必要はないんだけど、毎回言ってるように仮想通貨の未来は明るいし、ブロックチェーンの未来がめちゃくちゃ明るいと思うからね。

特に、パブリック型のブロックチェーンにはどうしたって仮想通貨が必要なんだから。マイナーがいないとシステムメイキングできないわけで、そのためにきちんと国がサポートする理由が十分ある。

特に日本は30年間で名目GDPが1.5倍しか上がってないんだけど、他の国は最低でも4倍になってるわけ。中国は75倍になっていて、それに比べて日本は極めて劣等生なんだよ。何か新しいものを見つけなくちゃいけないわけです。

頭のいい日本人が活躍できる非常にいい分野だと僕は思うわけ。そういうことを考えると国がサポートするべきエリアなんだから、当然、税制で特措法を適用しなきゃいけないと思ってるわけ。

カジノの利益が27.5%で仮想通貨の利益が55%はおかしい

藤巻:実は、次の臨時国会が始まったらすぐに質問してやろうと思ってることがあるんだよね。僕が今一番攻めどころかなと思ってるのはカジノ法案が通ったことに紐付いているんだけど。カジノで得た利益、例えばものすごい儲かった日本人がいたとして、税率がどうなるのかなって。一時所得って言われてるんだよね。一時所得って総合課税をまず半分にして、税金が課せられるんだよね。2000万円稼ぐと1000万円に対して税金が課せられる。

もしそうならおかしいよね。カジノで得た利益は55%の半分の27.5%になるのに、仮想通貨がなんで55%なんだろう。まったく理屈がつかないじゃないか。

この前はTwitter上で随分皆さんにサポートしてもらったけど、国民の納得が得られないとか言って、カジノで儲かった利益が27.5%で仮想通貨は55%なわけ。まったく矛盾してるよね。

その辺を今度突っついてやろうかなって思います。これが次の臨時国会の僕のテーマなんです。

――ぜひお願いします。

藤巻:カジノが通ったってのは税率問題についてこれはネタができたぞと僕は思ってて。不合理だよね、どう説明するのかなって思ってる。

だってカジノで儲ける人を育成するよりも、仮想通貨で儲ける人を絶対優遇するべきでしょ。国の将来を考えるなら。そこをちょっと攻めてやろうと考えています。

ITの進化により現行の税制が形骸化

――僕も個人的にITが進化したことで新たな税制の問題が浮かび上がっていると思ってるんですよね。

藤巻:ありますね。色んな問題起きてますね。

――アメリカではゲームとかをダウンロードする時って税金がかからなかったりするんですよ。何でかって言うと、州によって税金が違うので、取りようがないんですよね。ダウンロードってどこでもできてしまうし。だから税金がゼロだったりするんですよ。

藤巻:今重要なことおっしゃってたんだけど、各州によって税制が違うから取らないってお話をしたでしょ。それもそうだし、もう1つ言うと税当局が把握できないものを税制にしちゃいけないわけだよ。

脱税はもちろん絶対にだめなんだけど、僕が思うに、去年仮想通貨で儲けた人たちで脱税してる人って結構いると思うんだよね。それは何故かっていうと、あれだけ儲けてると国の雑所得収入が急騰してるはずなんだよ。年内の損であれば利益を相殺はできるけど、それにしても僕は税収入のうち雑収入が一昨年に比べてあまり伸びていないと感じている。

脱税してる人が少なからずいるわけよね。税金はきちんと払わなくちゃいけないわけだよ。脱税をしてる人がいるということは、真面目に納税や節税してる人に対して、ものすごく不公平感が生まれるわけ。税制っていうのは不公平感を与えてはいけないわけだよね。

仮想通貨の交換所を通してれば取引履歴は把握できるけど、色んなテクニック使っちゃうとばれないように送金できちゃうと思うんだよね。それを税務当局が全部追えるのかと。追えなければ、それはやっぱりまずいことなんですよ。不公平感がものすごく上昇しちゃうから。だからその辺も考えなくちゃいけないんだ。今は55%で高いから脱税しようと考える人がいるけど、20%になったら払ってもいいかなって人はでてくると思う。

だからやっぱり55%の最高税率がまずいなって思うのも、そういうところに理由があるんだよね。皆が気持ちよく不公平感を感じない税制にしないとね。儲かって0%ってわけにはいかないからね。それはきちんと気持ちよく不公平感なく、公平にしなくちゃいけないなと思うんです。

――確かに、海外の取引所もあったりするので。

藤巻:とれっこないんだよね。無理だったらきちんと皆で払ってくれる仕組みにすればいいと思って。

ーー隠せるっていうところもあるんですけど、実際税金の計算が難しすぎるんですよね。

藤巻:そうだよね。税務当局でもできないし。

――計算できないから諦めようってやっちゃってる人も結構多いと思います。

藤巻:そうだよね。逆に言うとそれがグッドエクスキューズになるわけで。それはやっぱりまずいんだわ。


無料メールマガジン

BTCNの最新ニュースを毎日お昼ごろお届けします!


まだデータがありません。