2019.03.13 (Wed) market

XRP上場取引型金融商品(ETP)上場予定報道に見る暗号資産市場の今

Written by 長谷川友哉

XRPのETP上場予定発表にも反応薄

スイスのクリプト・スタートアップAmun AG(以下Amun)のCEO、Hany Rashwan氏は11日、XRPの価格に連動する上場取引型金融商品(ETP)である「AXRP」の向こう2ヶ月での上場を予定していることをcoindeskとのインタビューで明かした。

Amunは昨年11月にBTC、ETH、XRP、LTC、BCHをバスケットにしたインデックスのETP、「HODL」をスイス証券取引所(SIX)に上場させたことで、暗号資産業界では名の知れたスタートアップだ。また、同社は今年に入りBTCとETHそれぞれの価格に連動するETP、ABTCとAETHをSIXに上場させており、この他にLTC、BCH、EOSの個別ETPを上場させるライセンスも既に取得しているという。

ETPは証券取引所(Amunの場合SIX)に上場されることから、機関投資家やSIXに口座を開いている投資家が間接的に暗号資産へのエクスポージャーを得ることができる。さらに、暗号資産の取引を法的に禁止する国に住む人であっても、ETPであれば市場に参加できる可能性がある。以上のことから、暗号資産のETPは市場に新たなマネーを呼び込む材料になり得ると考えられるが、HODL、ABTC、AETH上場は市場にポジティブな爪痕を残せていない。11日の発表後も、XRPの対ドル相場はジリ安となっている(第1図)。

【第1図:XRP対ドルチャート(日足)】

出所:coinmarketcapより作成

 

主な要因はトレンドの特性と関心度の低下か

AmunのETPに市場の反応が薄い要因としては、投機熱の後退による長期下降トレンドの始まりと、足元の市況が考えられる。

上記に関しては、2018年から続く弱気相場を見れば明白かと思われる。XRPは昨年1月3日に3ドルの上抜けに成功し、同月7日には3.38ドルのヒストリカルハイを記録した。しかし、その後は高値を切り下げながら長期下降トレンドを形成、同年9月には0.27ドル台から0.5ドル台まで一気に反発する場面もあったが、トレンド転換とはならずすぐさま下降トレンドに復帰した。

XRPのみならず、BTCなどの主要銘柄も類似した値動きで2018年は下降トレンドを形成した。足元では方向感に欠ける相場となっているが、トレンドは明確に転換するまで継続すると考えられるものだ(第2図)。こうした市況では、暗号資産を新たな投資対象としてポートフォリオに取り入れようと思う投資家は、現物は勿論ETPでもかなりの少数派と考察される。

【第2図:BTCとXRP対ドル長期チャート】

出所:coinmarketcapより作成

また、市況とは別に暗号資産に対する関心度にも注目したい。Google Trendsを駆使すれば、市場参加者以外の人口も考慮したグローバルな関心度をある程度推定できる。

2017年2月19日から2019年3月10日までのキーワード「Cryptocurrency」の人気度をチャート化したものが第3図になる。2017年4月頃まではかなりの低水準で推移していたが、5月からは上昇し始め、12月31日から2018年1月6日にかけてピークを迎えている(チャートはピーク時を100とし相対値を表している)。

しかし、2018年1月中旬以降の人気度は相場の動きを追う様に急落し、足元では6となっている。実際に同キーワードを検索している人口の属性内訳を把握することはできないが、全体のパイは縮小しているため関心度の激減は否定できない。また、これだけ人気度が低水準であると、「とりあえず買ってみよう」と試し買い程度に暗号資産を購入した投資家でさえ関心が薄れていることも推察できる。

最も、暗号資産の相場が上昇した結果関心度が上昇したと整理するのが自然だが、市場参加者・非参加者双方を含めた人口の関心度の参考指標となるため重要なデータと考える。

【第3図:Google Trendsキーワード「Cryptocurrency」の人気度チャート(対象地域:すべての国)】

出所:Google Trendsより作成

 

2019年に予定される好材料にも懸念

以上、長期下降トレンド後の相場の曖昧な方向感、そして暗号資産に対する関心度の低さという2点が現在の市場の大きな特徴と言え、本来ならば好材料であるはずのABTC、AETH上場およびAXRP上場予定の発表にも市場の反応が薄かった要因と考察される。

2019年は、米インターコンチネンタル取引所(ICE)が現物BTC1日先物の上場や、ICE傘下のBakktのサービスローンチ、米国でBTC上場投資信託(ETF)の上場可否判断といったイベントを控えているが、現在の市況が続けばこうした好材料が実現しても市場へのインパクトが相応に抑制されることが懸念される。主要暗号資産の相場が現状を打開し関心度を回復させられるか否か、引き続き注目される。

 


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