2018.10.25 (Thu) news

テザー社が5億ドル相当のUSDTを焼却

Written by 真田雅幸

ドルにペッグして発行されるステーブルコイン「USDT」を発行するテザー社は、5億USDTを焼却したことを公表した。これにより市場に出回るUSDTの数は減少し、総供給量が約20億USDTとなっている。

今月に入りテザー社が管理するアドレスには大量のUSDTが送金されている。10月にテザー社のアドレスが受け取ったUSDTは8.9億ドルに上り、すべて仮想通貨取引所のビットフィネックスから送金されている。

テザー社のアドレスの受信履歴の一部

テザー社の親会社であるビットフィネックスが、今月10日頃からフィアットの入出金を停止したことから、USDTに対する信用リスクが発生し価格は下落していた。16日には最大で15%の下落となる1USDT=0.85ドルで取引されている。

テザー社の5億USDTの焼却は、供給量を減らすことで価格を上昇させ、定価である1ドルに近づける目的もあると考えられる。一方、アドレスに送金されたUSDTが、テザー社自身が安値で市場から購入したものであれば大きな利益を得ていることになる。

仮に1USDT=0.95ドルが平均購入価格であった場合、5億ドルの5%である2500万ドルが利益としてテザー社に入っていることになる。

現在USDTの価格は回復傾向にあり、1USDT=0.98ドルで取引されている。

コインマーケットキャップのUSDTチャート

USDTの価格は、ビットフィネックスのビットコインの価格に影響を与え、世界の市場に価格変動が伝達していく。USDTの価格が急落した16日、ビットフィネックスのビットコイン価格は一時約20%上昇している。一方他の取引所では約9%の価格の上昇に留まっている。

テザー社の意図があったかはわからないが、USDTの価格下落によって同社は利益を得ることができてしまった。またUSDTの価格の変化がビットコインの市場価格にも大きな影響を与えることを示した。

このテザー社のUSDTの発行益に対するインセンティブ構造とUSDTの市場に対する影響力の大きさは、健全な市場で取引を求める投資家やトレーダーにとっては好ましくないだろう。


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