2018.05.10 (Thu) news

日本発の独立系ブロックチェーンスタジオ「HashHub」がローンチ、PoC開発も行う

東京・本郷から仮想通貨・ブロックチェーンのためのインキュベーションセンター「HashHub」が新たに立ち上がった。創業者は東晃慈氏、平野淳也氏、ビール依子氏の3人。いずれも精力的なビットコイナーとして知られている。

HashHubが提供するのは、ブロックチェーンスタジオと呼ばれる場だ。リーガルサポート、資金調達、基礎研究、PoCをHashHubの共通アセットとしてリソース提供することで、ブロックチェーンを使ったサービス開発の支援をサービスとして行っていく予定だ。

「投機ばかりが盛り上がり、ブロックチェーンを使わなければ実現しないサービス・技術開発の事例が日本にはあまりない」と、東晃慈氏は警笛を鳴らす。「イスラエルなど海外に目を向けると、いろいろな技術が開発されています。日本は規制先進国として注目されているのに、非常にもったいない状況です」

2017年4月に「仮想通貨法」が施行された後押しをうけ、国内利用者は300万人規模に達したが、注目されているのは主に仮想通貨の投機性だ。もちろん、世界的に見ても「交換業」や、仮想通貨の価格変動が注目されている点は否めない。しかしながら東晃慈氏によれば、その多様性においても日本は遅れていると指摘する。

「よく海外のプロジェクトから「日本に進出したい」という話を聞き、実際に日本進出を行うプロジェクトも多い。それらに比べると、日本国内のプロジェクトの数が少ないように見えます。また海外でよく見られるような純粋な技術者のための交流の場もなく、今の状態は極めて非効率に感じています」

仮想通貨は金融としての側面もある。規制が早々に構築されたことで、取引所の信頼性が高まり、投資家が安心して取引するための土壌整備が進んでいる。その一方で、テクノロジーの観点では規制がハードルとなり、心理的障壁に加え、非交換業者にとっては法務リスクや、その対応にかかるコストが大きくなっていることも事実だろう。

どのように場を作っていくのか

HashHubは「知識」「スペース」「専門家・投資家」等のリソースを共有すると同時に、海外プロジェクトの日本進出支援、日本国内プロジェクトの海外進出支援も行っていく。

また、自己リソースによる「PoC開発」「オープンソース開発」も行っていくのが同社の最も大きな特徴だ。現在、アドバイザーにはエンジェル投資家の有安伸宏氏、オープンソース開発者の宮本丈氏、コア開発者のニコラ・ドリエ氏らも名を連ねている。

有安伸宏氏はオフィシャルメンターとして、入居者に対するメンタリングを行っていく予定だ。宮本丈氏はPoC開発に利用するための基礎研究開発およびオープンソース開発に携わり、ニコラ・ドリエ氏は技術アドバイザー兼オープンソース開発者として関わっていく予定だ。技術者への金銭支援も行い、彼らの知識やノウハウを入居開発者と効果的に共有したい考えだ。

コワーキングスペースの拠点に本郷という土地を選んだのには、「大学生にも気軽に訪問して欲しいという思惑がある」と共同創業者・ビール依子氏は話す。「ハッカー気質な人にきてほしい。学生は入居ではなく、実力があればインターンとして参加してもらい、一緒にPoC開発をしていきたい」

PoC開発はHashHubが自身のリソースを使って行い、期間設定し実稼働するビジネスプロダクトを完成させる。Lightning Networkなど、当面はセカンドレイヤー技術を中心に見据える。ビットコインやイーサリアムなどのパブリックブロックチェーン上で開発を行う予定で、プライベートブロックチェーンのプロダクトや、ブロックチェーン自体の開発は行わない。プロトタイプの完成後、感触がよければ資金調達を検討。投資家から資金を調達できれば、分社化してプロジェクトのグロースを図っていく。

早急に存在感を示す必要がある

ブロックチェーンや暗号通貨の領域では、規制がイノベーションを阻害しているという意見もある。

共同創業者・平野淳也氏によれば、規制への働きかけなどを行う予定は現在はないが、まずはPoCを開発し、日本のブロックチェーン・テクノロジーの底上げと、その多様性を確保することがHashHubの目標だ。

技術・法務・税務など、ブロックチェーン専門家のリソースを集約し、開発者やスタートアップがすべきことに専念できる環境を整えることがHashHubのメリットだ。ナレッジを蓄積し、コワーキングスペース入居者と共有することでコミュニティの活性化をはかり、場の価値を高めていくことに専念していくと平野淳也氏は語った。

東晃慈氏は最後に、HashHubの抱負として次のように語った。

「まずはプロダクトを作る土壌を日本につくります。社会実装をしなければ意味がありません。たとえばLightningをつかって、「あ、そんなことができるんだ。すごいね!」というようなことをやっていきたい。土壌さえできれば、日本人が海外に進出しても太刀打ちできるような環境になっていくはずです」

HashHubは5月よりコワーキングスペースの入居者を募集。希望者はサイトから応募可能だ。


HashHub


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