2019.02.07 (Thu) news

Blockstream、取引所へ暗号通貨の残高を証明するProof of Reservesの提案

Written by 真田雅幸

Blockstreamは、取引所がユーザーから預かったビットコインを安全に保管していることを証明するツール「Proof of Reserves」を発表した。BlockstreamはProof of ReservesをオープンソースプロジェクトとしてBIP(Bitcoin improvement Proposal)へ提案し、業界からの反応をみる考えだ。

暗号通貨業界全体として向上させなければならない点が、取引所がユーザーから預かる暗号通貨の安全性と透明性だ。ユーザーはどの取引所が誠実に業務を行っているのかを外部から知ることはできない。また、取引所がすべての暗号通貨を安全に保管しているのかを調べることもできない。

そこで取引所がユーザーのビットコインにアクセスできることを証明するために開発されたのがProof of Reservesだ。Proof of ReservesはすべてのユーザーのビットコインのUTXOを使い一つの取引にまとめるが、その取引の中に正しくないインプットデータを追加する。

正しくないインプットデータを追加された取引はネットワークによって拒否される。しかしUTXOのデータは残るため、保有しているビットコインの数量を証明することができる。

Proof of Reservesは、実際にビットコインを送金することなく保有数量を証明できるため安全性が高い。Blockstreamは、Proof of Reservesを取引所のオペレーションの透明性を高めるツールとして利用してほしいと考えている。

暗号通貨はユーザー自身が取引の正当性を検証することができるように作られているが、取引所のサービスを利用するには、その機能を放棄し取引所が安全に運営していることを信用する必要がある。

取引所にはユーザーの暗号通貨が大量に集まるため、ハッカーなどに狙われる危険性が高い。今年に入りすでに複数の取引所で問題が発生し、ユーザーが自身の暗号通貨へアクセスできなくなっている。

先月、ニュージーランドの取引所Cryptopiaがハッキング被害に遭い1600万ドル相当の暗号通貨が流出している。さらに先週、カナダの取引所QuadrigaCXのGerald Cotten CEOの突然死によりユーザーが預けていた1.3億ドル相当の暗号通貨が凍結されてしまった。QuadrigaCXでユーザーの暗号通貨の秘密鍵にアクセスできたのはCotten CEOだけだったようだ。

この事件の真相は未だ解明されていないものの、QuadrigaCXが実際にすべてのユーザーの暗号通貨を安全に保管していたかはわかっていない。また、マウント・ゴックス事件以降、取引所のセキュリティ問題が度々取り沙汰されているにも関わらず、ユーザーの秘密鍵をCEO一人で管理していたということは信じがたい事実だ。

ビットコインが安全に管理されていて、かつ、いつでも動かせる状態であることを外側からでもわかるようにすることは業界に求められている課題の一つだ。しかしセキュリティ上秘密にしておくべき情報も多いため、オペレーションの透明性を高めると同時に公開できる情報の範囲を限定する必要がある。

一方、安全性を重視しているトレーダーは少なく、取引所で暗号通貨を管理しているユーザーも多く存在すると推測される。また、安全性を重視するユーザーであれば、はじめから自身のコールドウォレットで管理するだろう。取引所が安全性や透明性を高めるインセンティブとして、ユーザーも取引所に対して安全性や透明性を求める必要がある。

Proof of Reservesは取引所の透明性を証明するために開発されたツールで取引所業務のスタンダードの一つに組み込まれる可能性がある。残念ながらこのツールは取引所の安全性を高めるものではないが、取引所としてはこのようなオペレーションを行うことで透明性と同時に誠実性をユーザーへアピールすることができる。


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