2019.07.16 (Tue) market

乱高下続くBTCは高値圏で大きく保ち合いに

Written by 長谷川友哉

BTC対円は週高値から一時25%安、アルトコインも対BTCで売られ弱気の様相強まる

BTCの対円相場は先週、週明け8日に6月28日高値(134万9998円)と7月3日高値(129万9000円)を結んだ下降トレンドラインを上抜けすると、10日まで連日上値を追う展開となり143万6666円の週高値を付けた。しかし、10日にFRB(米連邦準備理事会)のジェローム・パウエル議長が下院での議会証言にて月末利下げの可能性を示唆すると、米主要株価3指数に加え金の相場が高騰。それと同時にBTC相場は急落を開始した。翌11日には、上院銀行委員会にてパウエル氏がビットコインと金を比較し、ビットコインが「投機的な価値の保存手段」だと発言し一時相場が下げ止まるも、13日に米下院金融サービス委員会で巨大ITプラットフォーマーを金融から締め出す趣旨(後述)の討議草案が発表されると、相場はさらに安値を広げ、15日には107万3000円の安値を付け10日高値から実に25%安を一時記録した。

足元では、BTC対ドル相場の節目となる10000ドルでの押し目買い需要や、16日未明に元米共和党議員のロン・ポール氏がCNBCとのインタビューで「仮想通貨(暗号資産)は素晴らしいアイデアだ」、「(消費者が仮想通貨を)選ぶ自由を合法化したいと」と発言したこともあって15日安値から10%弱ほど相場は反発している。

一方、先週の主要銘柄は、対ドル・対BTC共に全面安を記録しており、市場全体で弱気一色となった(第2、3図)。BTC対ドル相場の上昇が続いていた際は、一部アルトコインの対BTC相場との逆相関関係が確認され、BTC相場の下落時にアルトコインに資金が流れる動きがあったが、先週はこうした市場内での資金還流が後退し、市場から資金が流出したと考えられる。予て指摘の通り、こうした市場内での資金還流の後退と対法定通貨で暗号資産を売る動きは弱気相場のサインとなり得るため、注意が必要だ。

【第1図:BTC対円チャート(4時間足)】


出所:bitbank.ccより作成

【第2図:主要暗号資産銘柄対ドル週次騰落率(7月8日〜14日)】


ステーブルコインを除く時価総額上位20銘柄
出所:coinmarketcapより作成

【第3図:主要アルトコイン対BTC週次騰落率(7月8日〜14日)】


ステーブルコインを除く時価総額上位20銘柄
出所:investing.comより作成

米下院金融サービス委員会、「巨大ITプラットフォーマーの金融からの締め出し」討議草案発表

上述の通り、日本時間13日に米下院金融サービス委員会が「Keep Big Tech out of Finance」とのタイトルの討議草案を発表した。本草案の概要としては、「巨大プラットフォーム公益事業」が金融機関となることを阻止するものとなっており、こうした事業体が独自の通貨を広く普及させることを前提に発行することを禁止する案が盛り込まれている。ここでいう「巨大プラットフォーム公益事業」は、年商250億ドルを超える組織を指しており、業界では、米時間16日から17日に開かれるフェイスブック社のLibra(リブラ)に関する公聴会を前に、米議会が先手を打ってきたと認識されている。

先月18日のホワイトペーパー発表直後より、Libraを巡って各国規制当局が慎重論を展開しており、マキシーン・ウォーターズ米下院議員は公聴会を開催し当局の承認を得るまで開発を中止するようフェイスブック側に求めていた。こうした中、15日には本日から行われる公聴会でのフェイスブック側の証言要旨が明らかになり、米規制当局の承認を受けるまで同社がLibraの発行を行わない意向であることがわかった。

Libraは暗号資産の一種として認識されているが、ガバナンスやアルゴリズムの観点からビットコインとは一線を画する。このため、Libraへの批判はあるものの、ビットコインや他の暗号資産と競合するという認識は市場では薄く、むしろ暗号資産ユーザーの裾野を広げると期待の声も挙がっていた。しかし、今回の討議草案の発表により、暗号資産が広く普及する切っ掛けが失われる可能性が出てきたことになる。また、草案発表の前日には、本邦での取引所ハッキング被害の発覚やトランプ米大統領が暗号資産を嫌忌する発言をしていたこともあり、市場にとっては若干間の悪い発表であったと言えよう。

テクニカル分析

BTCの対円相場は短(7日)・中(30日)・長(90日)期の移動平均線がそれぞれゴールデンクロスを維持。一方、相場は30日線をおよそ一月ぶりに割り込んでおり、中期的なモメンタムの後退が指摘される。ボリンジャーバンドでは、相場は-2シグマにタッチし反発。バンド幅は先週よりあまり変わらず、この先もボラティリティーの高い展開が予想される。相場はセンターラインを割り込んでいるため、弱気となり易いだろう。一目均衡表では、均衡表が逆転しており早期の売りシグナルが一つ点灯している。

【第4図:BTC対円チャート(日足)】


出所:bitbank.ccより作成

週足では、7週線がサポートとして機能している。各線とも上向きを維持しており、週足では、短中長期で上昇相場を示唆。ボリンジャーバンドは、バンド下辺が折り返してきたが、上辺は依然折り返していないため相場は上昇し易いと言えよう。一目均衡表では、相場は転換線を割り込んでいるが、三役好転を維持している。

【第5図:BTC対円チャート(週足)】


出所:bitbank.ccより作成

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