2018.01.15 (Mon) news

ベネズエラ 仮想通貨ペトロ発行に向け 近隣諸国10カ国に受け入れ呼びかけ

Written by 真田雅幸


ベネズエラのニコラス・マドゥーロ大統領は、昨年の12月に石油、金、ダイアモンドなどの資源を担保にした仮想通貨ペトロの発行を示唆し、先週の金曜日の近隣諸国との共同会議において同国が発行する仮想通貨についての意見交換を行い受け入れを呼びかけた。会議にはボリビア、キューバ、ドミニカ共和国、グレナダなどの各国の政府高官が参加した。

マドゥーロ大統領は、会議にて各国高官に向け以下のように語った。

「私は仮想通貨ペトロの発行を提案します。ペトロは主にベネズエラの石油を担保に発行されるため、皆さんに受けいれられると信じています。今回のプロジェクトは、クリエイティブなシステム統合を促します」

一方、ペトロの発行について対立する意見もある。ベネズエラ議会は仮想通貨の発行は違法であるとし、発行を認めない意向を示している。またペトロの発行は、同国の備蓄石油の前売りにあたると批判した。

ペトロの管理体制に関しては詳細に明文化はされていないが、通常通貨の管理は国の特権であるため、その特権を手放し非中央集権的に管理することは考えづらい。そのため、非中央集権的なビットコインのような仮想通貨と比べると本質が異なる。中央集権的な仮想通貨は、管理者の信用で成り立つ電子マネーであり、ペトロの場合はベネズエラの資源を担保にした電子国債券のようなものだ。

ベネズエラでは、政府の経済政策がうまくいかず自国通貨ボリバルの価値が大きく下落し、2017年のインフレーション率は800%を超えていた。

ニコラス・マドゥーロ大統領のペトロ発行の提案の背景には、自国の通貨の価値が大きく下落しデフォルト(債務不履行)の危機に瀕しているベネズエラの経済事情が垣間見える。自国が発行する国債の価格は下落し正攻法ではデフォルトを避けられないため、苦肉の策としてペトロの発行を強行しようとしているのではなかろうか。

実際にペトロがどのように発行されて、取引を誰が承認するかなどの詳細な情報は発表されていない。他方、発行者が新たな仮想通貨をリリースする前に予めマイニングを行い一定数の仮想通貨を確保するためのプレマインを行うとの噂もあり、ベネズエラ政府が管理する中央集権的な仮想通貨となるだろう。その場合、「なぜ自国の国債ではなく仮想通貨のペトロを発行する必要があるのか」に疑問が残る。


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